男性型脱毛症(AGA)のメカニズム

男性型脱毛症

AGAという言葉は、ここ最近で一般的に認識されるものになってきました。意味合いとしては「男性の薄毛症状」ということですが、どのようなメカニズムで薄毛が顕在化していくのかを説明できる人はそれほど多くないと思います。

本来発毛を促すはずの「男性ホルモン」が変化することによって薄毛がもたらされるのですが、このあたりのメカニズムについてわかりやすく解説してみたいと思います。日常生活の中に潜む薄毛誘発因子についても整理いたしますので、「最近抜け毛の量が気になり始めて…」という男性はぜひご覧ください。


男性型脱毛症(AGA)とは? 男性ホルモンのいたずら!?

男性ホルモン

AGAは、日本語で「男性型脱毛症」と訳されるように男性特有の薄毛症状のことを指します。英語としてはAndrogenetic Alopeciaが正式な名称であり、単語レベルで訳すと「アンドロゲン性の」+「脱毛症状」と分解することができます。

アンドロゲンとはテストステロンを主とした「男性ホルモン」のことを意味しますので、全体としては「男性ホルモンを起因とした薄毛トラブル(抜け毛症状)」ということになります。日本語では「男性型脱毛症」と訳されるため少し因果関係がぼやけているのですが、本質的には「男性ホルモン」の影響によって薄毛作用が生じていることがわかります。


男性ホルモン(テストステロン)は本来発毛を促進するもの!

男性ホルモン(テストステロン)は、男性器の発育や生殖機能の確立、また声変わりなどに関与するほか、男性らしい骨格や筋力の形成をサポートしたり、頭髪や体毛を増加促進することにも貢献します。精神面では前向きでアグレッシブなメンタリティーを保つことにも関与します。

男性ホルモン(テストステロン)の働き

  • 男性の生殖器や生殖機能の発育を促進
  • 声変わりに関与
  • 男性らしい骨格や筋力の形成をサポート
  • 頭髪や体毛の増加を促進
  • 前向きなメンタリティーの確立に関与

このように、頭髪に関しては「発毛を促進する」のが男性ホルモン(テストステロン)の本来的な働きです。ところが、薄毛男性の多くが陥りやすい「頭頂部」や「前頭部」の頭髪については、その毛根の毛乳頭付近に「5αリダクターゼ」と呼ばれる酵素が存在しており、この酵素とテストステロンが結びついてしまうことで薄毛作用をもたらしてしまうことがあるのです。


「善玉の男性ホルモン」が「悪玉の男性ホルモン」に変化してしまう!?

遺伝的傾向によっても異なるのですが、本来発毛力を強化するはずの男性ホルモン(テストステロン)が「5αリダクターゼ」という酵素と結びついてしまうと、「ジヒドロテストステロン(DHT)」と呼ばれる悪玉男性ホルモンに変換されてしまいます。これは、不幸にも「発毛力を弱体化させる」という作用をもたらしてしまいます。

ジヒドロテストステロン(DHT)の発生メカニズム

善玉男性ホルモン(テストステロン)+5αリダクターゼ → 悪玉男性ホルモン(ジヒドロテストステロンDHT)

テストステロンは善玉の男性ホルモンであったのに対し、ジヒドロテストステロン(DHT)は頭髪にとって悪玉の男性ホルモンとなるため、毛母細胞に対して「細胞分裂を止めてしまえ!」といった指令を出してしまいます。こうなると、ヘアサイクルにおいて毛がすくすくと伸びていくはずの「成長期」が短縮されてしまい、毛の寿命である抜け落ちるタイミング「休止期」が早く訪れてしまいます。

ヘアサイクル

季節によっても異なりますが、私たちの毛髪は毎日50本から100本程度抜け落ちているのが通常です。この状態だと全体量として10万本程度ある毛髪に目立った変化は訪れないのですが、ジヒドロテストステロン(DHT)が各毛根にマイナスの指令を出し始めると、抜け毛の量が着実に増えていき、いつしか薄毛が目立ってくるという「目に見える変化」が現れます。

ざっくりではありますが、20代では10人に1人(10%)、30代では10人に2人(20%)、40代では10人中3人(30%)といった具合に、年齢を追うごとに「男性型脱毛症(AGA)」の発症率は上昇します。加齢に伴ってホルモンバランスが変化していくこととも関係があるのですが、「抜け毛が増えてきたのでは…」と感じた際は早めに対処すればするほど薄毛症状を抑制しやすくなります。


「薄毛症状」は遺伝だけが全てではない!生活習慣にも注意!

生活習慣

男性型脱毛症(AGA)は本来髪にプラスに働くはずの「男性ホルモン」が遺伝的傾向を受けて「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変化してしまい、じわじわと着実に薄毛を強化してしまう症状になります。要因は第一義的には「遺伝傾向」ですが、周囲には薄毛作用に拍車をかけてしまう次のような生活習慣も考えられます。

薄毛リスクを高める生活習慣

  • 運動不足
  • 喫煙習慣
  • 偏食傾向(ダイエットなど)
  • ストレス
  • 睡眠不足

「血流低下」を招く生活習慣は発毛に良くない!

血流低下

1本1本の毛の成長は「毛細血管からの栄養供給」によって成立しますので、血流低下や栄養素自体が少なくなると当然発毛力も弱まります。このため、運動不足やタバコ、偏食傾向や無理なダイエットなどについては十分に気を付けなければなりません。

自律神経

また、過度なストレスは交感神経を強く高ぶらせてしまい、必要以上に血管収縮をもたらしてしまう可能性もあります。「自律神経」の働きに悪影響が及んでくると、脳の視床下部が持っている「ホルモン分泌量の調整機能」にも影響が出始め、これが薄毛作用に繋がるケースも考えられます。


「睡眠習慣」も髪の成長に影響する!?

私たちは睡眠中に「成長ホルモン」を分泌し、骨や身体の各組織を成長させてあるべき状態を作り上げています(維持しています)。「成長ホルモン」の分泌によってアミノ酸が取り込まれてタンパク質の合成が促されますので、髪の主成分である「ケラチン」を作るためにも「成長ホルモン」は重要な働きを担っています。

「成長ホルモン」はどのような眠り方をしても同量分泌されているわけではなく、実は「睡眠レベルが深い時にこそ多く分泌されること」がわかっています。このため、普段から寝苦しい環境にいたり、睡眠不足が続くようになると髪の成長にも悪影響が出ます。「成長ホルモン」は皮膚の修復やメンテナンスにも寄与しますので、頭皮環境でトラブルが生じやすくなる可能性も出てきます。このようなことから、「規則正しい快適な眠りを確保すること」は抜け毛を減らす意味でとても重要になってきます。


「薄毛症状」はお薬の服用で緩和できる時代!

お薬の服用

男性の薄毛症状「男性型脱毛症(AGA)」については、近年医学的に有効だとされるお薬がいくつか登場しています。「ミノキシジル」や「フィナステリド」といった薬剤を中心に、日々新しい薬も開発されているような状況です。


「オーダーメイドAGA処方薬」をご利用ください

当院では、個々の患者さまに最適なお薬を適切な分量で配合する「オーダーメイドAGA処方薬」をご用意しています。前頭部や頭頂部の頭髪で薄毛が進行する「男性型脱毛症(AGA)」以外にも、女性に多い全体的なボリューム低下「びまん性脱毛症」などにも対応します。随時、「無料カウンセリング」を実施していますので、お気軽にご相談ください。

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